何も無いのよ。ここには何も。
だから来ても意味は無いわ。
醜い渦に呑まれたいのなら別だけれど。
ガヤガヤと五月蝿い。眼を開けるのが恐い。だって、私は渦に呑まれた愚かで可哀相な子だもの。
眼を開けたら笑っているの。道行く人が私を見て、嘲笑って行くの。
そこから歩くのが恐くて、ずっと座り込んでいる。
ああ、眼が合ったら殺されるんじゃないかしら。
だって私を見てみんな笑っているんだから。
裸足だから?俯いてるから?服がへんだから?
私が私だから?
だって、だって、こんな所シラナイ。
知ってたら来なかった。
何も無いくせに、何も。
なのにこの醜い渦は何?私が呑まれた渦は何?
何、あの人。なんでコッチ見ながら笑ってるの。
あぁ、猫が、ダメだよコッチに来ては。渦に呑まれる。
汚い靴で蹴られてしまう。
何も無いのよ。本当に。
でもあるとすれば醜い感情。
見つけてください、
渦の中の私を
「お前、こんなトコで何やってんだ、うん?」
(06.04.09/どーにでもなってください)