やさしいイロ...01
一目見て暗いと分かるこの雰囲気。
第一印象は若い女の人が白い着物みたいなのを着て化けてでてきそう。
竹やぶからはカサカサと何かの気配を感じる。
そう、ここが、江戸。
「って、オカシイデショ」
「何が?」
「何がってティキぽん?
私の故郷である日本の歴史上の江戸はアクマの都市じゃなくってよ」
「その呼び方やめろ」
『ようこそ日本へ!』と、なんとも怪しい看板の前に、黒髪黒目のいかにもな日本人の少女と、ティキと呼ばれた肌が黒く頭に聖痕をつけた青年がいた。
先程少女が言ったアクマと呼ばれる機械の兵器。
それらが鳥のかわりに空を飛び、住民のように人のように歩き回る。中には虫や動物を意識したものもありあまり見ていて気持ちの良い景色ではなかった。
「はあ、千年公もなんでわざわざ江戸なんてとこ選ぶのかなー」
「知らねーよ、んなこと。故郷なんだろ?帰ってこれたんだから懐かしめよ」
「確かに私の故郷は日本だけども江戸なんてとっくに消えてる平成っこよ私は」
懐かしむにしてもこの雰囲気は懐かしめるものが無いってば。
いやいや、逆に言わすと日本って感じがそのまま残ってるから懐かしい感じはなんとなくするけど…
「とりあえず、さっさと行くぜ」
「あーあ…時代を超えてまで家族に会いに来たって言うのに何か冷たくないデスカ」
「さっきからぶつくさ五月蝿いぞ」
「早くロードに会いたいなあ」
「千年公も会いたがってたぜ」
「…」
千年公に会いたがられても特に嬉しくも無いんですけど。
はぁ、夏休みの宿題まだ手もつけてないんだけどなぁ…どーせまたロードの宿題手伝わされるんだろうなあ。。。
「ティキぽん」
「その呼び方やめろ」
「ロードって確か長子だったよね」
「それが何だ」
「私たちはろくにガッコにも行ってないでしょ?
なのになんでロードは未だに宿題とかあるんだろう…?」
「…(知るか)」
(2007。02。07。。何で?)