トリップってやつだよ。02




・・・・・・・・・・、こんなことになるなんて誰が思っただろう。

あぁ、カミサマとやらは分かってたのかもな。でも、さ。ありえないだろコレは。





今、俺たちはチビとそのチビの弟らしいやつに着いて行って『東方司令部』っつーところに居た。結構でかい建物でお偉いさんが居るらしい。

この状況をどうにかして帰らないといけない今、しかたなくこいつ等に着いてくることにしたわけだ。

だが、そんなことを一つも考えてずに着いて来てる馬鹿が俺の隣に居る。そう、だ。


「ねぇーねぇー!!なぁーるぅーとぉー!!!【おぉー!!何かすごいね!】」


「何だってばよ【さっきからうるせぇぞ】」


いつも明るい表の俺も流石にテンションに着いて行けなくなる。裏の会話[暗部の上級の者しか使えない会話術]でもハイテンションである。

そんな俺に同情したような目でみてくる凸凹兄弟。

くそっ!同情するなら助けてくれ・・・!!(某ドラマのように)


「青い人ばっかだねぇー」


「あれは軍服だ」


俺が何か言う前にエドが説明を入れる。どうやら少し助けてくれる気になったようだ。

「ここですよ」

アルが扉の前に立って指をさした。この中にお偉いさんがいるらしい。

こちらの世界については言い合いをしている時に何故か教えてもらっていた。(本当に不思議なやつらだ)


「何か、思ってたよりも普通だよね」


「うん。もっとこースゲーのだと思ってたのに!!」


「(スゲェのって何想像してたんだろう・・・)失礼します」


アルが扉を二回ノックして入る。

名乗ったりしねぇのか?

少し無用心ではないだろうか、と意外にも心配するナルト。

中には青い服を着た(確か軍服だっけか)兄ぃさん達と一人の女の人が居た。


「やぁ、いらっしゃい」


「エド、すっごい顔・・・【ナルト、何か飽きた】」


この中では一番実力がありそうな人が笑顔で迎えてくれると同時にエドはすごい顔をする。


「あ、こんにちは」


「おぉー!!スゲー!!【んな事言われてもしらねぇ】」


「・・・・・・異世界から来た奴ってのはこいつ等だ」


アルは律儀に挨拶をし、ナルトは表になっているため挨拶などせずにわーわーと騒いでいる。

そんな中エドは挨拶など一切無しでイキナリ本題に入った。連絡はとってあるらしく、相手のほうもさほど驚いた様子は無かった。

それよりも驚いたのはこちらのほうだ。


「おや?鋼の、そちらの美しいお方はどちら様だい?」


そう言いながら一番最初に出迎えた奴がの方に笑顔で向く。


「こんにちはー!!異世界から来ましたです」


さんか。素敵な名前だね。否、名前だけを素敵と言っているわけでは無いのだよ。さん自身が美しく素敵だと言うのは当たり前すぎて・・・・(クドクド)」


コレほどまでに長い台詞をしかも褒め台詞を噛まずにスラスラと言えるのはすごいと思う。

そしても異世界に来たと言う自覚があったのかと驚かされる。つーかイキナリ会った奴を口説くか普通。

ふっと、ナルトの頭にいつも銀色の髪の毛が跳ねている元暗部の男を思い浮かんだ。今ごろくしゃみでもしていることだろう。先程から驚いてばかりのナルトには口説かれている途中だと言うのにも関わらずナルトに話し掛けてきた。


「ナルト、早く本題に入ったほうが良くない?【ロイさん話長いから・・・】」


「そーだったってばよ!【お疲れさん】」


を口説いている(現在進行形)男はロイと言うらしい。いつも騒がしく話しつづけているは聞き役にはなれないようだ。

ところで周りの人たちは何をしているのかと気になって見てみると、皆はソファーに座りのんびりとお茶を飲みながら楽しそうに会話をしていた。まだ座っていない俺たちに気付いたエドが声を掛ける。


「ナルト、!大佐の話なんか無視していいから早く座れよ」


ここはエドの部屋なのだろうかと疑いたくなったがココは話が逸れていってはいけないので突っ込まないでおこう。

とにかく座れといわれたナルト達は素直にソファーに座った。


「早く本題に行きたいのは分かるけど、先ず自己紹介しません?」

「そうね。名前がわからないのは不便だから」


煙草を咥えたお兄ぃさんとお姉ぇさんが提案する。


「つーわけで俺はジャン・ハボックだ。ジャンでもハボックでも好きなように呼んでくれ」


煙草を咥えたお兄ぃさんはハボックと言うらしい。それに習い他の人たちもどんどんと自己紹介をしていく。


「私はリザ・ホークアイよ。よろしくね」

「俺ぁ、マース・ヒューズだ。俺の嫁さんとエリシアちゃんは最高だぞぉー」

「ハイマンス・ブレダだ。まあヨロシクな」

「私はヴァトー・ファルマンです。ヨロシクお願いします」

「僕はケイン・フュリーです。よろしく」

「私はロイ・マスタングだ。覚えておきたまえ」


大変個性的な自己紹介だと思った。ここの人たちは結構濃い人たちなのかもしれない。まぁ、木の葉の上忍達もかなり濃いやつばかりなのだが。

あぁ、でもリザ・ホークアイとか言う奴はまともそうだよな。


「さっきも言ったけど私は。よろしくー!!」

「俺はうずまきナルトだってばよ!!将来火影になる男だってばよ!!」




一通り自己紹介も終わったところで本題に入る。



「んで、異世界から来た奴とかの情報ねぇか?」

「鋼の、イキナリそんなことを言われても流石の私も困ると言うものだ」

「イキナリじゃねぇだろ。コッチ来る前に連絡しただろ。仕事しろ給料泥棒」


俺等のことについて話し合ってくれているのに何故俺等が会話に入ってないか。
それはこっちで別の会話を俺たちがしてるからだ。

そう、まったくもって関係のない犬の話。しかも笑えることにその犬の名前がブラックハヤテ号というらしい。どっかのいつも病気で顔色が悪い特別上忍の黒バージョンだ(断じて違う)

こいつの名前を付けたやつはそーとーネーミングが無いんだろうな。

そんなことを考えているとハボックが俺に耳打ちしてきた。


「こいつの名前つけたやつネーミングセンスねぇとか言うなよ。ホークアイ中尉に殺されるぜ」

「さ、さんきゅーだってばよ・・・」


  ま じ か よ !!

俺は内心カナリの冷や汗をかきつつハボックに礼を言った。

コレにはマジでビビったナルトだった。


「では三日後のこの時間にまた来てくれ。それまでに探しておこう」

「あぁ、じゃあ頼む」


どうやら向こうでは話がついたみたいだ。三日後と言うことはすぐには帰れないのか。


「【こりゃ帰ったら任務三昧だね。】」

「【そうだな・・・・。】」


も同じことを思っていたらしい。裏の会話術で話し掛けてくる。


「【嫌だなぁ。睡眠時間が減るのは・・・・・】」

「【それは俺もだ】」

「【じじぃ脅して休んじゃおっか!】」

「【止めろ】」


俺たちが他愛の無い会話をしているなか裏ではこんな会話がされているなんて気付かないだろう。


「おい、、ナルト。一旦ホテルに帰るぞ」

「はーい!」

「わかったってばよ!!」


エドの呼びかけに元気良く返事をして先に行ってしまったエドをアルと共に追う。




来た時は真上にあった太陽が今はもう少しで消えてしまいそうになっていた。







人気があったので書いてみた。キャラが凄い事になった・・・。(2005/1/30)
・・・・続く・・・・のか・・・・・・・?